I糖尿病インスリン治療へ希望の新星!
貼るだけで自律型の次世代人工膵臓の開発
背景
現在のインスリン治療は、血糖値をモニタリングしながら体重や摂取・消費カロリーを考慮した投薬が必要です。糖尿病においてインスリン療法は重要な位置を占めていますが、投与量調整の難しさ、費用負担の大きさなど多くの課題が存在します。糖尿病治療の経口薬を服用している患者へも適用可能な新技術が熱望されています。
開発内容
貼るだけ自律型次世代人工膵臓
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「機械不要、1週間連続使用可能」で血糖値に応じてインスリンを自動投与可能な、低侵襲性のマイクロニードル型インスリンパッチを開発します。グルコースと可逆的に結合するフェニルボロン酸(PBA)をある種の高分子ゲルネットワーク中に適当な割合で共有結合的に導入すると、グルコース濃度に応答して、高いグルコース濃度ではゲルの膨潤が、低いグルコース濃度ではゲルの収縮が生じ、収縮したゲル表面には「スキン層」と呼ばれる薄い脱水収縮層の壁が形成されます。
この現象により、インスリンを内包するPBA含有ゲルでは、高いグルコース濃度では広がったゲルの網目構造からインスリンを拡散し、低いグルコース濃度ではスキン層の形成によりインスリン分子の拡散が妨げられます。
本プロジェクトでは、研究代表者らが開発したPBA含有ゲルをマイクロニードル等の低侵襲皮下導入技術と融合し、丈夫で廉価、患者の使用負担を格段に軽減する次世代型の人工膵臓いわば「貼るだけ人工膵臓」の事業化を目指します。