事業化プロジェクト

II大量毛髪再生で笑顔獲得とQOL向上
再生毛髪の大量調製革新技術の開発

背景

 病気やけが、先天的要因、抗がん剤使用後の再生不全など、様々な要因で毛髪の悩みを抱えている人は多く、薄毛に悩む人は国内だけでも1,000 万人以上と推定されています。
 現在、脱毛症の外科的な治療としては、患者自身の後頭部の毛髪を脱毛部に移植する自毛植毛が行われていますが、後頭部から取り出せる毛髪本数に限りがあり、頭部全体における毛髪数を増やすという根本的な問題解決には至っていません。そのため、近年、「毛髪の再生医療」が、脱毛症の新たな治療法として注目を集めています。

開発内容

移植組織:毛包原基の大量作製技術


  • 安全性・コスト面に優れ、現治療の植毛等に変わる脱毛症の根本的な治療を可能とする再生毛髪医療を実現します。
    毛包由来の上皮系及び間葉系細胞を用い再生毛髪医療に必要な移植組織(毛包原基)を作製する画期的な手法が理化学研究所のグループにより提案されました。この手法では毛包原基を大量に作製することは困難でしたが、事業化プロジェクトⅡの研究代表者らは、毛包由来の上皮系及び間葉系細胞を増殖させ、独自に開発した培養容器にこれらの2種類の細胞を入れ混ぜることにより、細胞の自己組織化現象によって移植に必要な移植組織(毛包原基)を大量に作製することに成功しました。

本プロジェクトでは、毛包原基を一度に大量に調製する独自の培養技術を基盤として、毛髪再生医療に必要な3つの技術である「細胞の増殖・移植組織の作製・精密移植」の確立と、ヒト細胞を用いた概念実証の達成で、毛髪再生医療の事業化を目指します。